アームレスリング(腕相撲)のアジア選手権メダリストである著者が、アームレスリングのテクニック(コツ・握り方・構え方)を説明します。
また、テクニックの種類に適したトレーニング機器も紹介します。
※本記事は英文記事「How to Win in armwrestling | Asian medalist explains techniques (top roll) and training equipment」の翻訳記事です。
トップロール(吊り手)とは何
この画像は、私が全日本アームレスリング選手権(M1)の本戦決勝に勝ったときの写真です。
このゲームで使ったテクニック(コツ)は「トップロール(日本語では吊り手)」と呼ばれています。
トップロールは、アームレスリングの競技を代表するテクニックで、そしてそれを知ることで、アマチュア同士のアームレスリングで簡単に勝つことができます。
トップロール(吊り手)はどうやるの?
トップロールを行う方法は?
それは簡単です。
一言で言えば、その方法は次のとおりです。
ひじを支点にして、「てこの原理」で相手の指先を吊り上げます。
これが「あの大工道具」と同じだと気づきましたか?
それは「ハンマーの爪」、はい「ネイルプーラー(くぎ抜き)」です。
「ネイルプーラー」と同じ動きで相手の指先を吊り上げます。
「トップロール」は、相手の指先を吊り上げる(くぎを抜くように)「ネイルプーラー」と同じ動きなのです。
対戦相手の指先を吊り上げると、対戦相手は手や腕に力を入れることができなくなります。
トップロール(吊り手)をうまく成功させるコツ
トップロールを成功させるためのコツ...
「レディーゴー!」のスタート直前に、相手の指先に意識を集中します。
そして、相手の指先を釣り上げた後、「回内回旋」で拳をロールして倒します。
トップロール使用時の姿勢(構え方)について説明します。
これは、相手の指先に効率的に力を加えるために非常に重要です。
トップロールの構え方には2つのテクニックがあります。以下の通りです。
1.肘を肩のラインの内側に置きます。
2.肘の角度を直角にするのが最善です。
なぜなら...
1.ひじが肩のラインの外側にある場合、拳を最後までロールすることができません。
2.「ネイルプーラー(くぎ抜き)」をお忘れなく。角度が直角より狭いまたは広い場合は釘を上手く引き抜けますか?あなたは、それをすることができないはずです。
あなたの「トップロール」を強化する2つの器具
最初の器具は「プロネーションハンドル」です。
このハンドルを使用すると、「回内回旋」のための前腕の筋肉が強化されます。
2つ目の器具は「トップロールハンドル」です。
「ネイルプラー(くぎ抜き)」の動作から、ロールの動作にまで必要な前腕の筋力を効率よく鍛えることができます。
トップロール(吊り手)の動作軌道
「トップロール動作軌道」では、以下の3つの動作を円運動で行います。
①相手の指先を吊り上げる
②相手の拳を引きつける
③自分の拳を転がす(ロール)
これらの動きをビデオで見たい場合は、以下のyoutubeビデオを参照してください。
トップロール使用時の握り方
トップロールを使用する際の握り方には、次の2つのコツがあります。
1.人差し指で親指を押し込みます。
2.拳の幅を広げます。
なぜなら...
1.相手の親指を強くつまむことで相手の力をコントロールできるからでさす。
2.これにより相手が拳を握りにくくなります(スタートで相手の指先を吊り上げやすくなります)。
ピンチする力(相手の親指をコントロールする力)を鍛えるのに効果的なのはこのハンドルです。
アームレスリング(腕相撲)のもう一つの技
アームレスリングには「フック(日本語では噛み手)」と呼ばれるもう一つのテクニックがあります。これは筋力を必要とするテクニックです。
以下がそのやり方です。
①手首を巻きつける
②手前に引きつける
③横方向に押し倒す
このテクニックを強化するためのトレーニング器具は次のとおりです。
アームレスリング(腕相撲)に必要な筋肉
アームレスリングに必要な筋肉を重要度の高い順に以下に示します。
1.前腕の筋肉
2.上腕二頭筋
3.広背筋
4.大胸筋
5.回旋腱板
6.上腕三頭筋
これらの筋肉の典型的なトレーニング方法は次のとおりです。
1.アームレスリングハンドル、リストカールでトレーニング
2.アームカール、チンアップ(逆手懸垂)
3.プルアップ(順手懸垂)、ラットマシンプルダウン
4.チェストプレス、チェストフライ
5.インターナルローテーション
6.トライセプスプレスダウン
これらのトレーニングは、ケーブルマシンまたはダンベルで行うのが最適です。
これは、これらの方法で行われるトレーニングは柔軟な軌道を持ち、実際の試合で必要な筋肉に効果的であるためです。
アームレスリング(腕相撲)と肘の角度
前述のように、アームレスリングにおいて肘の最適な角度は直角前後です。
これは、アームレスリングで上腕二頭筋がどのように収縮するかと関係があります。
筋収縮には3つのタイプがあります。以下の通りです。
1.短縮性収縮:肘を曲げる時の収縮。
2.伸長性収縮;肘が伸ばされる時に抵抗する収縮。
3.等尺性収縮;肘の角度を保つための収縮。
肘の角度を固定することは、等尺性収縮を必要とするアームレスリングでは非常に重要です。
このため、アームレスリングのウエイトトレーニングでは、肘の角度を直角前後で固定して行うことが重要です。
アームカールであっても、ひじを積極的に曲げたり伸ばしたりする必要はありません。直角に固定する必要があります。
もちろん、これはリストカール、チンアップ、プルアップ、ラットプルダウン、チェストフライなどでも同じです。
腕の筋肉の構造と作用
腕の筋肉の構造と作用については下記の情報記事をご参照ください。腕相撲が強くなるためには、まず腕の筋肉の種類や構造、それらの働きなどを知ることが不可欠です。
執筆者情報
上岡岳|Gaku Kamioka
生物学学芸員|Biology Museum Curator
教育学士|Bachelor of Education
フィジカルトレーナー|Physical trainer
一般社団法人JAWA日本アームレスリング連盟常任理事・レフリー委員長|JAWA (Japan Arm Wrestling Association) Executive Director, Head Referee
Mazurenko equipment Japan CEO
EzrealArmwrestlingClub Japan CEO
ONIARM-JAPAN armwrestling equipment CEO