腕相撲に必要な手首の強さと鍛え方は?|アジアメダリストのアームレスリング選手が解説


アジアのアームレスリングメダリストである著者が、腕相撲に関する質問に答えます。

今回の質問は「腕相撲に必要な手首の強さと鍛え方は?」です。

これについてお答えします。

腕相撲に必要な手首の強さは技によって異なり、その鍛え方も異なります。


手首の強さ・力とは?



「手首の強さ」と一般的には言われますが、実際のところ、図のように手首は骨・関節・靭帯で構成されており、そこに筋肉はありません。手首の動作をつかさどっているのは前腕筋群ですので、厳密には「前腕筋の強さ」になります。

前腕筋群は20以上の筋肉から構成されており、複雑な手首の動作を行いますが、大きくは「前腕屈筋群」と「前腕伸筋群」に分類されます。

腕相撲の二つの技



腕相撲には二つの技があり、それはトップロール(日本語では吊り手)とフック(日本語では噛み手)です。

それぞれの技の特徴は次の通りです。

トップロール(吊り手)に必要な手首の強さ

トップロールの特徴



てこの原理を使って、相手の指先を吊り上げ、斜め後方にロールして相手を倒す技がトップロールです。その、動作軌道は以下のようになります。

トップロールの軌道



トップロールでは、以下の3つの動作を円運動で行います。

①相手の指先を吊り上げる

②相手の拳を引きつける

③自分の拳を転がす(ロール)

トップロールに必要な筋力



このような技の特徴と軌道から、トップロールに必要なのは「橈屈(ヘッドを立てる力)」と「回内(ロールする力)」となります。

具体的には、腕橈骨筋と前腕屈筋群になります。

フック(噛み手)に必要な手首の強さ

フックの特徴



フックは手首を巻きつけると同時に、相手の拳を自分の手首の下敷きにして、横方向に押し倒す技です。

フックの軌道


フックでは、以下の3つの動作を円運動で行います。

①手首を巻きつける 

②手前に引きつける 

③横方向に押し倒す

フックに必要な筋力



このような技の特徴と軌道から、フックに必要なのは「掌屈(手首を曲げる力)」と「回外(捻る力)」となります。

具体的には前腕屈筋群になります。

腕相撲の手首の強さの鍛え方



腕相撲の手首の強さを鍛えるためのトレーニングには、リストカール系トレーニング、リストローテーション系トレーニング、リストハンマー系トレーニングなどがありますが、やはりアームレスリング競技専用に開発されたトレーニング器具を使って行うのが最適です。

鍛える筋力別に適合するトレーニング器具は次の通りになります。

リストカール系トレーニング(掌屈力)






リストローテーション系トレーニング(回旋力)


リストハンマー系トレーニング(橈屈力)



さらに詳しい腕相撲の情報



さらなる腕相撲の詳細については、次の記事を参照してください。


執筆者情報



上岡岳|Gaku Kamioka

生物学学芸員|Biology Museum Curator
教育学士|Bachelor of Education
フィジカルトレーナー|Physical trainer

一般社団法人JAWA日本アームレスリング連盟常任理事・レフリー委員長|JAWA (Japan Arm Wrestling Association) Executive Director, Head Referee

Mazurenko equipment Japan CEO

EzrealArmwrestlingClub Japan CEO

ONIARM-JAPAN armwrestling equipment CEO